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【2021年4月から完全義務化】ホームページの消費税「総額表示義務」の対応はできていますか?

EC事業者が対応するべきことや罰則などをわかりやすく解説。

2021.10.12

  • コラム

2021年4月から完全義務化 ホームページの消費税「総額表示義務」



2021年4月1日より義務化された消費税における「総額表示」は、具体的にどのような表示にする必要があるのかEC業者の中には理解が遅れ、対応出来ていないという可能性も考えられます。きちんとした対応をしていないとEC事業者と消費税表示問題に繋がる恐れがあるので、まず総額表示義務の特徴を正しく理解した上で、EC事業者は正しい対応をする必要があります。



総額表示義務とは

まず総額表示義務とは、商品を販売したりサービスを提供する、「消費税を納める義務がある事業者」に対して義務付けられたものであり、店頭やホームページの値札やチラシにおいて商品やサービスの価格を表示する時に、必ず消費税を含めた価格を記載する必要があります。
対象となるのは一般消費者に対して商品販売やサービスの提供を行っている消費税課税事業者であり、事業者間で取引をしている場合は総額表示義務の対象から外れるので、自分が対象となるのかきちんと確認をしましょう。まとめると一般消費者に対し、商品を販売しているEC事業者は対応する必要があり、企業に対して商品を販売しているEC事業者は対象とはなりません。



総額表示義務を実施する理由

では消費税における「総額表示義務」を実施する理由とは、財務省によると消費者の利便性を上げることを目的としています。
商品やサービスの価格が税抜き価格の表示のままでは、消費者は自身で計算をしない限り会計時にならないと本来支払う金額を把握することができません。
税抜表示をしている事業者もいれば、税込表示をしている事業者も少なくないため価格を比較しにくかったり分かりにくいといったデメリットも出てきます。そこで総額表示義務を義務化することで消費者側が商品・サービスの購入や利用を検討する際に、全ての価格が税込表示されている状態となります。値札やチラシを見ただけで本来支払うべき価格がわかるようになることで、比較や購入の判断がしやすくなるメリットがあります。



どのような媒体で総額表示義務を行う必要があるのか

商品に添付や貼付される値札や商品パッケージなどの商品本体における価格表示や、店内表示や商品陳列棚など、店頭における価格表示などが挙げられます。商品カタログや新聞折込広告、ダイレクトメールなど配布するチラシにおける価格表示、他にもホームページの総額表示義務も重要であり、新聞や雑誌、テレビなどの広告における価格表示や、メニューやポスター、看板などにおける価格表示なども対象となります。



EC事業者と消費税表示問題

EC事業者はホームページの表示価格の変更の他に、広告出稿をしている場合には広告媒体の総額表示にも対応しておく必要がありますし、ホームページの他に実店舗を展開している事業者の場合は、値札や陳列棚などの表示を忘れずに変更することも重要です。この時総額表示の判断をする際にポイントとなるのが、総額表示をするのは購入の決定をするための媒体であることであり、EC事業者は消費者が購入の決定をするためのホームページが税込み表示になっていれば、消費者側に届いた商品の値札が税抜表示になっていた場合でも問題はないと判断されます。
これらを踏まえた上で、EC事業者と消費税表示問題となるのが2021年4月1日以降の総額表示義務の対応と罰則についてです。現時点で総額表示義務を違反した際の罰則は定められていないため、価格を総額表示していなくても消費税法違反で処罰されることはありません。ただし価格の総額表示は消費税課税事業者に対して国が定めている義務であり、きちんと対応していない事業者だと判断されてしまう可能性が高くなることから、早めに対応しておくようにしましょう。

EC事業者が総額表示義務に対応するにはどういった価格表示にするべきなのか

5,000円の商品だった場合に対して、5,500円や5,500円(税込)であったり、5,000円(税込5,500円)や5,500円(税抜価格5,000円)といった表記になります。
この時に消費者が支払う価格の総額が表示されていれば、他に税抜価格や消費税額が表示されていても問題はありません。国税庁のページによると、総額表示をして税込価格に1円未満の端数が発生した場合には、端数は切り捨てや切り上げ、四捨五入のいずれかの方法で処理することができます。
ホームページではデジタルデバイスの画面といった限られたスペースで価格を表示する必要があるので、価格表記のスペースが大きくなるとホームページのサイトデザインが煩雑になる原因になります。
5EC事業者が押さえておくべきホームページの総額表示義務のポイントとしては、消費者の見やすさを重視して快適に買い物をしてもらうためにも、なるべく短い表記で価格を提示することが大切です。



多くのEC事業者は商品登録や受注管理、在庫管理や発送準備など多忙な毎日を送っているため、消費税における総額表示義務の対応まで手が回らないと感じる場合も少なくありません。しかしこれは消費税課税事業者に対する国が定めた義務なので、きちんと対応することが求められます